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偽痛風

偽痛風(ぎつうふう)は、その名の通り痛風とよく似た激しい関節の痛みや腫れを引き起こす病気です。しかし、痛風が尿酸の結晶によって起こるのに対し、偽痛風はピロリン酸カルシウムという別の結晶が関節内に溜まることで炎症が生じます。特に膝関節に起こりやすく、ご高齢の方に多く見られるのが特徴です。福井県福井市の開発にある「はまだ内科クリニック」では、日本リウマチ学会のリウマチ専門医および登録ソノグラファーとしての知見を活かし、超音波検査を用いた迅速な診断と丁寧な治療を行っています。越前開発駅から徒歩5分の当院では、急な関節の痛みにお困りの地域の皆様が安心して受診できるよう、幅広く丁寧な診療を心がけています。

偽痛風の症状について

偽痛風の最も代表的な症状は、ある日突然起こる関節の激痛です。痛風が足の親指の付け根に集中しやすいのに対し、偽痛風は膝(ひざ)に起こることが非常に多く、次いで手首、足首、肩などの大きな関節に発症するのが一般的です。

急激な関節の腫れと痛み

炎症が起こった関節は赤く腫れ上がり、触れると熱を持ってパンパンに腫れます。この痛みは非常に強く、膝に起こった場合は歩行が困難になることも珍しくありません。発作のピークは発症から数時間から1日程度で訪れることが多く、適切な処置を行わないと数日から2週間ほど強い痛みが続くことがあります。

全身に現れる症状

偽痛風は局所の関節炎だけでなく、全身に影響を及ぼすことがあります。特に高齢の方や炎症が強い場合には、以下のような症状を伴うことがあります。

  • 38度以上の高熱が出る
  • 全身のだるさ(倦怠感)を感じる
  • 食欲が低下する

これらの全身症状は、一見すると風邪や感染症のように見えることがありますが、特定の関節に強い痛みがある場合は偽痛風の可能性を考慮する必要があります。当院では、こうした急な発熱を伴う症状に対しても、総合内科専門医および救急専門医の視点から迅速に評価を行います。

関節の痛みについての詳細は「リウマチ」のページも併せて参照してください。

偽痛風の原因について

偽痛風の直接的な原因は、関節の軟骨に「ピロリン酸カルシウム二水和物」という結晶が沈着し、それが関節の中に剥がれ落ちて白血球が反応することで激しい炎症が起こることです。なぜこの結晶ができるのかについては、完全に解明されていない部分もありますが、いくつかの要因が関係していると考えられています。

加齢による関節の変化

偽痛風は圧倒的に高齢の方に多い疾患です。年齢を重ねることで関節の軟骨の代謝が変化し、結晶が沈着しやすくなることが背景にあります。60歳代から増え始め、80歳代以上では多くの方の関節に結晶が見られると言われています。ただし、結晶があるからといって必ずしも全員に痛みが出るわけではなく、何らかのきっかけで炎症が誘発されたときに「偽痛風発作」として現れます。

発作を引き起こすきっかけ

関節内に沈着した結晶が刺激され、炎症が引き起こされるきっかけには以下のようなものがあります。

  • 転倒や打撲などの関節への直接的な衝撃
  • 肺炎などの感染症にかかり、体力を消耗したとき
  • 脱水症状や大きな手術を受けた後の全身状態の変化
  • 過度に関節を動かしたり、長時間歩いたりした負担

他の疾患との関連

体内のミネラルバランスが崩れる代謝性の病気が、偽痛風の原因となることもあります。以下のような病気をお持ちの方は、結晶が溜まりやすい傾向にあります。

  • 副甲状腺機能亢進症(カルシウム代謝の異常)
  • 低マグネシウム血症
  • 甲状腺機能低下症

当院では、必要に応じて採血検査を行い、背景にこうした疾患が隠れていないかを慎重に確認します。甲状腺の不調については「甲状腺機能低下症」のページもご覧ください。

偽痛風の病気の種類について

偽痛風(ピロリン酸カルシウム沈着症)は、その現れ方によっていくつかのタイプに分けられます。一般的には「突然の激痛」というイメージが強いですが、実は慢性的な経過をたどるものもあります。

急性関節炎型(典型的な偽痛風)

最も多く見られるタイプで、前触れなく関節が腫れて激痛が走ります。痛風発作と区別がつかないほど激しい炎症が起こるため、臨床現場ではこの状態を指して「偽痛風」と呼ぶことが一般的です。通常は一つの関節のみに起こりますが、稀に複数の関節が同時に痛むこともあります。

慢性関節炎型(リウマチ類似型)

関節リウマチのように、手指や手首、膝などの複数の関節に、鈍い痛みやこわばりが長期間続くタイプです。炎症の程度は急性型ほど激しくはありませんが、微熱が続いたり、関節の変形が進んだりすることがあります。血液検査で炎症反応(CRPなど)が陽性になるため、関節リウマチとの判別が非常に重要です。

変形性関節症随伴型

加齢による膝の痛みである「変形性膝関節症」に伴って、結晶が沈着するタイプです。普段からの膝の重だるさに加えて、時々「少し腫れが強くなる」といった波のある症状が特徴です。レントゲンを撮ると軟骨に白い線状の影(軟骨石灰化)が見られることが多くあります。

偽髄膜炎型(首の痛み)

稀に首の関節(第一頸椎と第二頸椎の間)に結晶が沈着することがあります。これは「Crowned Dens Syndrome(環軸関節石灰化周囲炎)」と呼ばれ、首を動かせないほどの激痛と高熱が出ます。髄膜炎と間違われることがあるため、正確な診断が必要です。

似たような症状が出る疾患については「関節リウマチ」のページでも解説しています。

偽痛風の治療法について

偽痛風の治療は、まず「今起きている激しい炎症を鎮めること」が最優先となります。尿酸値を下げる薬が必要な痛風とは異なり、偽痛風には結晶そのものを溶かす特効薬が今のところ存在しないため、対症療法が中心となります。

薬物療法

炎症を抑えるために、以下のようなお薬を使用します。患者さんの年齢や持病(胃潰瘍や腎機能など)を考慮して、最適なものを選択します。

  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)・・痛みと腫れを強力に抑える飲み薬や貼り薬です。
  • コルヒチン・・炎症の進行を抑えるお薬で、発作の初期に効果が期待できます。
  • ステロイド薬・・炎症が非常に強い場合や、NSAIDsが使用できない場合に内服します。

関節穿刺(関節の水を抜く処置)

膝などの大きな関節に水(関節液)が溜まっている場合、注射器でその水を抜く処置を行います。水を抜くだけでも関節内の圧力が下がり、痛みが大幅に軽減します。また、抜いた水の中に結晶が含まれているかを確認することで、診断の確定にも繋がります。必要に応じて、関節内に直接少量のステロイド薬を注入し、局所の炎症を速やかに鎮めることもあります。

局所の安静と冷却

発作が起きている最中は、無理に動かさず安静にすることが大切です。炎症部位を冷やす(アイシング)ことも、血管を収縮させて腫れを抑えるのに役立ちます。ただし、冷やしすぎには注意が必要ですので、タオル越しに行うなどの工夫をアドバイスしています。

痛風との違いについては「痛風」のページで詳しく比較しています。

偽痛風についてのよくある質問

Q1. 痛風と偽痛風、どうやって見分けるのですか?

A1. 症状だけで区別するのは困難ですが、血液検査で尿酸値が高い場合は痛風、レントゲンやエコー検査で関節に石灰化(結晶の影)が見られる場合は偽痛風の可能性が高まります。最も確実なのは、関節から抜いた液体を顕微鏡で観察し、ピロリン酸カルシウム結晶を確認することです。

Q2. 食事で気をつけることはありますか?

A2. 痛風のように「プリン体を控える」といった特定の食事制限は、偽痛風には必要ありません。ただし、脱水症状が発作のきっかけになることがあるため、日頃から十分な水分摂取を心がけることが大切です。また、マグネシウム不足などが影響することもあるため、バランスの良い食事は基本となります。

Q3. 偽痛風を予防する方法はありますか?

A3. 結晶を完全に消す方法はありませんが、関節への過度な負担を避け、適度な体重管理を行うことで、発作の頻度を抑えられる可能性があります。また、利尿剤などの一部のお薬や、他の病気の管理状況が影響することもあるため、定期的な健康管理が重要です。

院長より

膝や関節の突然の激痛は、日常生活を大きく制限し、強い不安を感じさせるものです。特にご高齢の方にとって、歩けなくなることは筋力の低下や生活の質の低下に直結しかねません。私たち、はまだ内科クリニックでは、リウマチ専門医としての経験を活かし、単なる痛み止めによる処置だけでなく、なぜ痛みが起きているのかを「幅広く、丁寧に」診断することを大切にしています。

当院の強みは、リウマチ学会登録ソノグラファーの資格を持つ医師による精密な超音波検査です。エコーを用いることで、レントゲンでは映りにくい微細な結晶の沈着をリアルタイムで確認し、その場で診断の精度を高めることができます。また、総合内科専門医として、背景にある内科的な不調やミネラルバランスの乱れにも目を配り、全身的な健康管理をサポートいたします。

福井市開発の地域の皆様にとって、関節の痛みは「年だから仕方ない」と諦めるものではありません。越前開発駅からすぐの当院では、患者さんの言葉に耳を傾け、一人ひとりに寄り添った痛みの改善を目指しています。急な腫れや痛みを感じたら、どうぞ我慢なさらずにお気軽にご相談ください。皆様が一日でも早く、笑顔で歩ける日常を取り戻せるよう、全力でお手伝いさせていただきます。

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