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慢性心不全

慢性心不全とは、心臓のポンプとしての機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなった結果、息切れやむくみなどの症状が現れ、だんだんと悪くなっていく状態を指します。特定の病名を指すのではなく、さまざまな心臓の病気が最終的に行き着く状態とも言えます。福井市開発の「はまだ内科クリニック」では、総合内科専門医としての視点を活かし、心臓だけでなく全身の状態を丁寧に評価することで、お一人おひとりの生活に寄り添った管理を行っています。越前開発駅から徒歩5分の通いやすい環境で、地域の皆さんの「息苦しさ」や「だるさ」といったサインを見逃さず、健やかな毎日を守るお手伝いをいたします。

慢性心不全の症状について

慢性心不全の症状は、心臓のポンプ機能が弱まることで、全身の血液循環が滞るために起こります。初期の段階では、激しい運動をした時に少し息が切れる程度で、年齢のせいだと見過ごされてしまうことも少なくありません。しかし、進行すると日常生活の何気ない動作でも強い症状を感じるようになります。

呼吸に関する症状

心臓から血液を送り出す力が弱まると、肺に血液が停滞しやすくなります。これにより、以下のような呼吸の異常が現れます。

  • 階段の上り下りや坂道で息が切れる
  • 重症化すると、平地を歩いているだけでも息苦しさを感じる
  • 夜寝ている時に、横になると苦しくなり、起き上がると楽になる「起坐呼吸」が出る
  • 咳や喘鳴(ぜんめい:喉がゼーゼー鳴ること)が続く

これらの症状は気管支喘息と似ていることがありますが、心臓が原因で起こることも多いため、注意深い診断が必要です。

呼吸器の症状については「気管支喘息」のページも併せて参照してください。

むくみと体重の変化

心臓の右側の機能が低下すると、全身から戻ってくる血液が滞り、静脈の圧力が高まります。その結果、血管から水分が漏れ出して「むくみ(浮腫)」が生じます。

  • 夕方になると靴がきつくなるほど足の甲や脛がむくむ
  • 指で脛を数秒間強く押すと、離しても跡が残る
  • 短期間(数日で2〜3kgなど)で急激に体重が増加する
  • 尿の量が減り、夜間に何度もトイレに起きるようになる

急な体重増加は、脂肪が増えたのではなく、体の中に水分が溜まっているサインである可能性が高いです。

全身のだるさと疲労感

全身の筋肉や臓器に十分な酸素と栄養が行き渡らなくなるため、常に体が重く感じたり、疲れやすくなったりします。

  • 以前は平気だった距離の買い物が億劫になる
  • 手が冷たくなりやすく、顔色が悪く見える
  • 食欲が低下し、胃もたれのような不快感がある
  • 集中力が低下したり、日中に強い眠気を感じたりする

これらは単なる疲れや加齢によるものと判断されがちですが、慢性心不全の重要なサインであることが多いのです。

慢性心不全の原因について

慢性心不全を引き起こす原因は多岐にわたります。多くの場合は、長年蓄積された生活習慣病や心臓の持病が背景にあります。当院では、糖尿病協会 療養指導医の資格を持つ院長が、原因となる疾患のコントロールから徹底して行っています。

高血圧

血圧が高い状態が続くと、心臓は常に強い力で血液を押し出さなければならず、心臓の筋肉に過度な負担がかかります。これが長年続くと心筋が厚くなり(心肥大)、やがて心筋が疲弊してポンプ機能が低下します。高血圧は心不全の最大のリスク因子(病気になる要因)の一つです。

血圧の管理については「高血圧」のページを参照してください。

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)

心臓そのものに酸素を送る血管(冠動脈)が細くなったり詰まったりする病気です。心筋梗塞によって心臓の筋肉の一部が壊死してしまうと、その部分は動かなくなり、残された筋肉で補おうとして全体に無理が生じ、心不全へと進行します。

不整脈

心臓の拍動リズムが乱れる不整脈、特に「心房細動」は心不全と深く関わっています。心房が小刻みに震えることで血液を送り出す効率が悪くなり、心臓への負担が増大します。また、心不全があることで不整脈が引き起こされるという悪循環もよく見られます。

リズムの乱れについては「不整脈」のページで詳しく解説しています。

糖尿病や脂質異常症

これらの生活習慣病は動脈硬化を促進させ、間接的に心臓へダメージを与えます。特に糖尿病は心筋そのものに影響を及ぼすことも知られています。当院では糖尿病の専門的な知見を活かし、合併症としての心不全予防に力を入れています。

関連する疾患は「糖尿病」のページ「脂質異常症」のページをご覧ください。

慢性心不全の病気の種類について

心不全はその状態や原因によって、いくつかの分類がなされます。適切な治療法を選択するためには、どのタイプの心不全であるかを正しく見極めることが重要です。

左心不全と右心不全

心臓の左側(左心室)の機能が低下するのが左心不全、右側(右心室)が低下するのが右心不全です。

  • 左心不全・・全身へ血液を送る力が弱まり、肺に血液が停滞するため、主に呼吸苦が現れます。
  • 右心不全・・全身から戻る血液が滞るため、足のむくみや肝臓の腫れ、腹水などが現れます。

多くの場合は左心不全から始まり、進行すると両方の機能が低下する「両心不全」の状態になります。

収縮不全と拡張不全

心臓の動きのどの段階に問題があるかによる分類です。

  • 収縮不全(HFrEF)・・心臓が縮んで血液を押し出す力が弱まっている状態です。
  • 拡張不全(HFpEF)・・心臓が硬くなり、広がりが悪いために血液を十分に吸い込めない状態です。

最近では、一見心臓の動き(収縮力)が正常に見える「拡張不全」の患者さんが増えており、高齢者や女性、高血圧・糖尿病のある方に多く見られるのが特徴です。

急性増悪(きゅうせいぞうあく)

安定していた慢性心不全の状態が、塩分の摂りすぎや感染症(風邪や肺炎)、不整脈などをきっかけに急激に悪化することを指します。この場合は、入院による緊急の治療が必要になることがあります。当院の院長は救急専門医でもありますので、急な体調変化への適切な判断と迅速な対応を心がけています。

感染症による悪化については「肺炎」のページもご確認ください。

慢性心不全の治療法について

慢性心不全の治療の目的は、症状を和らげて生活の質(QOL)を高めること、そして入院が必要になるような急激な悪化を防ぎ、長生きすること(予後:病気の経過や見通しの改善)です。当院では「お薬」「生活習慣」「原因疾患の管理」の三本柱で治療を進めます。

薬物療法

近年の心不全治療は飛躍的に進歩しており、心臓の負担を減らし、寿命を延ばす効果が証明されている「基本となるお薬」を組み合わせて使用します。

  • ACE阻害薬・ARB・ARNI・・血管を広げ、心臓を保護するホルモンを調節します。
  • β(ベータ)遮断薬・・心臓の過剰な働きを抑え、心筋を休ませます。
  • ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬・・体内の余分な水分を出し、心臓の線維化を防ぎます。
  • SGLT2阻害薬・・もともと糖尿病の薬ですが、心不全の入院リスクを大幅に減らす効果が認められています。
  • 利尿薬・・体に溜まった余分な水分を尿として排出し、むくみや息苦しさを即効性を持って改善します。

これらのお薬を、血圧や腎機能の状態を見ながら慎重に調整していきます。

生活習慣の改善(セルフケア)

お薬と同じくらい大切なのが、日々の自己管理です。

  • 塩分制限・・塩分の摂りすぎは体内に水分を溜め込み、心臓の大きな負担になります。1日6g未満が目安です。
  • 適度な運動・・過度な安静は筋肉量を減らし、かえって心不全を悪化させます。無理のない範囲でのウォーキングを推奨しています。
  • 禁煙・・タバコは血管を収縮させ、心臓に強いダメージを与えます。当院では「禁煙外来」でのサポートも行っています。
  • 毎日の測定・・血圧、脈拍、そして何より「体重」を毎日測り、記録することで、悪化の兆しを早期に発見できます。

原因疾患のトータルケア

心不全だけを診るのではなく、背景にある高血圧、糖尿病、脂質異常症、あるいは慢性腎臓病(CKD)などを総合的に治療します。当院は認定内科医として、これら複数の病気を抱える患者さんに対して、お薬の重複や飲み合わせにも配慮したオーダーメイドの医療を提供します。

腎臓への配慮については「慢性腎臓病(CKD)」のページを参照してください。

慢性心不全についてのよくある質問

Q1.一度よくなったら、お薬はやめてもいいのですか?

A1.症状が落ち着いた状態(寛解:症状が落ち着いた状態)になっても、多くの場合、心臓のポンプ機能自体が完全に元通りになったわけではありません。お薬によって心臓が保護され、良い状態が保たれているため、自己判断で中断すると急激に悪化する恐れがあります。継続が大切ですので、不安なことがあればいつでもご相談ください。

Q2.高齢なので、息切れは年のせいだと思ってしまいます。

A2.確かに加齢の影響もありますが、「以前より歩くのが遅くなった」「横になると咳が出る」といった変化は、心不全のサインである可能性があります。早めに対策を立てることで、活動的な生活を長く維持できる可能性が高まります。無理だと諦めず、一度検査を受けてみることをお勧めします。

Q3.どのような検査をしますか?

A3.当院では、診察での聴診に加え、心電図、胸部レントゲン、血液検査(NT-proBNPなど心臓の負担を数値化するもの)を行います。また、必要に応じて連携病院での超音波検査なども組み合わせ、迅速に診断を行います。不整脈が疑われる場合はホルター心電図などの精密検査も可能です。

院長より

「はまだ内科クリニック」院長の濵田卓也です。慢性心不全は、長く付き合っていく必要のある病気ですが、決して「もう治らないから終わり」という病気ではありません。今の医学では、適切にお薬を使い、生活を整えることで、心不全を持ちながらも自分らしく、穏やかに過ごせる時間は確実に増えています。

私は日本内科学会 総合内科専門医として、心臓だけでなく全身のバランスを考えた診療を大切にしています。また、日本救急医学会 救急専門医としての経験から、どのような状況で病状が急変しやすいかを熟知しており、それを未然に防ぐ「守りの医療」に強みを持っています。さらに、日本リウマチ学会 リウマチ専門医として全身の炎症性疾患を診てきた経験も、心不全の背景にある全身状態の把握に役立っています。

福井市開発の地で、患者さんが「最近ちょっと体がだるいな」「階段が辛いな」と、些細なことでも気軽にお話しいただける場所でありたいと考えています。越前開発駅からすぐの場所で、スタッフ一同、丁寧に皆様のお話をお聞きします。心不全という言葉に不安を感じるかもしれませんが、一人で抱え込まず、私たちと一緒に歩んでいきましょう。地域の皆様の健康を「幅広く、丁寧に」守り抜くことが、私の使命です。

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