慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働きが徐々に低下したり、尿にタンパクが漏れ出したりする状態が長く続く病気です。初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうことが少なくありません。福井市開発にある「はまだ内科クリニック」では、日本内科学会認定の総合内科専門医および日本糖尿病協会認定の療養指導医として、生活習慣病が深く関わるこの病気の早期発見と適切な管理に力を入れています。腎機能の低下は心臓病や脳卒中のリスクを高めることにもつながるため、早めの対策が重要です。越前開発駅から徒歩5分の当院では、健康診断の結果に関するご相談も丁寧にお受けしております。
慢性腎臓病(CKD)の症状について
慢性腎臓病の大きな特徴は、かなり進行するまで自覚症状が現れにくいことです。腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、機能が半分程度まで低下しても自分では気づかないことが多いため、定期的な検査が欠かせません。病状が進んでくると、以下のようなサインが現れることがあります。これらの症状を感じた場合は、早めに当院へご相談ください。
むくみ(浮腫)
腎臓の排泄機能が低下すると、体内の余分な水分や塩分を十分に排出できなくなります。特に足の甲や脛を指で押したときに跡が残るようなむくみや、朝起きたときの顔の腫れぼったさが特徴です。
尿の異常
尿にタンパクが混ざることで、尿が細かく泡立ち、なかなか消えないことがあります。また、腎臓が尿を濃縮する力が弱まるため、夜間に何度もトイレに起きる「夜間尿」が増えることも重要なサインの一つです。
全身のだるさや疲れやすさ
腎機能が低下すると、老廃物が血液中に蓄積しやすくなります。これにより、なんとなく体が重い、疲れが取れないといった倦怠感が生じることがあります。また、腎臓は造血ホルモンを作っているため、その不足による「腎性貧血」が起こり、動悸や息切れを感じることもあります。
貧血の症状については「貧血症」のページもあわせて参照してください。
慢性腎臓病(CKD)の原因について
慢性腎臓病の原因は多岐にわたりますが、現代において最も多いのは生活習慣病です。腎臓は細い血管が毛糸の玉のように集まった「糸球体(しきゅうたい)」という組織で血液を濾過しているため、血管を傷める病気が腎臓への大きなダメージとなります。
糖尿病(糖尿病性腎症)
高血糖の状態が続くと、腎臓の細い血管が徐々に壊されていきます。現在、新しく透析治療を始める原因の第1位となっているのが、この糖尿病性腎症です。血糖値を適切にコントロールすることが、腎臓を守るための最優先事項となります。
糖尿病の管理については「糖尿病」のページを参照してください。
高血圧(腎硬化症)
血圧が高い状態が続くと、腎臓の血管に圧力がかかり、血管が硬くなる「動脈硬化」が進みます。これにより腎臓への血流が悪くなり、機能が低下します。血圧を安定させることは、心臓だけでなく腎臓を守ることにも直結します。
高血圧の治療については「高血圧」のページを参照してください。
その他の主な原因
生活習慣病以外にも、腎臓そのものの炎症や加齢による変化などが原因となる場合があります。主なものとして以下の疾患が挙げられます。
- 慢性糸球体腎炎(IgA腎症など)・・腎臓の濾過装置に炎症が起こる病気です。
- 加齢・・年齢とともに腎機能は自然に低下する傾向があります。
- 脂質異常症や肥満・・動脈硬化を促進し、間接的に腎臓へ悪影響を及ぼします。
- 膠原病・・自己免疫の異常により腎臓が攻撃されることがあります。
生活習慣病全般については「生活習慣病」のページで詳しく解説しています。
慢性腎臓病(CKD)の病気の種類(ステージ)について
慢性腎臓病は、腎臓がどれくらい働いているかを示す「eGFR(推算糸球体濾過量)」という数値と、尿タンパクの量によって、重症度がステージ1からステージ5の5段階に分類されます。このステージを知ることで、今後の見通しや必要な治療方針を立てることができます。
ステージ1からステージ2(初期)
eGFRは正常に近い(60以上)ものの、尿タンパクなどの異常がある状態です。この段階では自覚症状はありませんが、生活習慣の改善を始めることで、病気の進行を遅らせることが十分に可能です。まずは原因となっている病気の治療を優先します。
ステージ3(中期)
eGFRが30から59に低下した状態で、多くの患者さんがこの段階でCKDと診断されます。腎臓の機能が半分程度まで落ちているため、貧血や骨の代謝異常などの合併症が起きやすくなります。塩分制限やタンパク質制限などの食事療法がより重要になる時期です。
ステージ4からステージ5(進行期)
eGFRが29以下に低下し、腎不全と呼ばれる状態に近づいています。老廃物が体に溜まりやすくなり、むくみや息苦しさなどの症状が顕著になります。ステージ5(15未満)になると、末期腎不全として透析治療や腎移植などの「腎代替療法」を検討する必要が出てきます。
心臓への負担については「慢性心不全」のページも参考にしてください。
慢性腎臓病(CKD)の治療法について
慢性腎臓病の治療の目的は、腎機能の低下を抑え、人工透析への移行を遅らせること、そして心血管疾患の発症を予防することにあります。一度失われた腎機能を元に戻すことは難しいため、現在の機能を維持するための多角的なアプローチを行います。
生活習慣の改善と食事療法
腎臓への負担を減らすために、食生活の見直しは欠かせません。具体的には以下のような取り組みを、患者さんのステージに合わせて無理のない範囲で提案いたします。
- 塩分制限・・血圧を下げ、腎臓の負担を減らすために最も重要です。1日6g未満を目指します。
- タンパク質制限・・腎臓への負荷を減らすため、ステージに応じて調整します。
- 禁煙・・喫煙は腎臓の血管にダメージを与え、病状を悪化させます。
- 適正体重の維持・・肥満は腎臓への負担を増加させます。
禁煙をお考えの方は「禁煙外来」のページをご覧ください。
薬物療法
原因疾患の治療と腎臓の保護を目的としたお薬を使用します。近年では、糖尿病の治療薬であるSGLT2阻害薬などが腎保護作用を持つことが明らかになり、積極的に活用されるようになっています。
- 降圧薬(ARBやACE阻害薬など)・・血圧を下げると同時に、尿タンパクを減らす効果があります。
- SGLT2阻害薬・・腎臓の負担を軽減し、予後を改善する効果が期待されています。
- 利尿薬・・体内の余分な水分を出し、むくみや血圧を改善します。
- リン吸着薬や炭酸水素ナトリウム・・血液中のミネラルバランスを整えます。
合併症の管理
腎機能が低下すると、血圧が上がりやすくなったり、コレステロール値に異常が出たりと、他の病気を併発しやすくなります。当院では、総合内科専門医の立場から、体全体のバランスを考えた管理を行っています。
コレステロールの管理については「脂質異常症」のページを参照してください。
慢性腎臓病(CKD)についてのよくある質問
Q1.健康診断で「尿タンパク」が出ましたが、再検査は必要ですか?
A1.はい、必ず受診してください。一度だけの陽性なら一時的な場合もありますが、持続してタンパクが出ている場合は慢性腎臓病の初期段階である可能性があります。早期発見が腎臓を守る最大の鍵です。当院では詳細な尿検査や血液検査を行っております。
Q2.腎臓が悪いと言われましたが、運動はしても大丈夫ですか?
A2.かつては安静が推奨されていましたが、現在は適度な運動が推奨されています。過度な激しい運動は控えるべきですが、ウォーキングなどの有酸素運動は血圧を下げ、腎機能を維持するのに役立ちます。ただし、ステージによって強度が異なるため、まずは主治医にご相談ください。
Q3.一度悪くなった腎機能は元に戻りますか?
A3.慢性腎臓病によって壊れてしまった腎臓の組織を完全に元通りにすることは、現在の医学では困難です。しかし、適切な治療を行うことで、機能の低下を食い止めたり、緩やかにしたりすることは可能です。諦めずに治療を続けることが大切です。
Q4.塩分を控えるコツはありますか?
A4.出汁(だし)を効かせて旨味を利用したり、酸味(レモンや酢)、香辛料を活用したりするのが効果的です。また、加工食品や練り物には多くの塩分が含まれているため、控えるようにしましょう。当院では糖尿病協会療養指導医として、具体的な食生活のアドバイスも行っております。
院長より
腎臓病の治療において、最も大切なのは「ご自身の腎臓の状態を正しく知ること」です。福井市開発の「はまだ内科クリニック」院長の濵田卓也です。私はこれまでに多くの患者さんを診てまいりましたが、腎臓の病気は自覚症状がないがゆえに、受診が遅れてしまうケースを多く目にしてきました。しかし、早期に対策を講じれば、透析を回避し、元気に過ごせる期間を長く延ばすことができます。当院は日本内科学会 総合内科専門医として、単に腎臓の数値だけを見るのではなく、背景にある糖尿病や高血圧などの生活習慣病、そして全身の状態を「幅広く、丁寧に」診察いたします。また、日本糖尿病協会 療養指導医の資格を活かし、毎日の食事や生活の工夫について、患者さん一人ひとりのライフスタイルに寄り添ったアドバイスを心がけています。福井の地域の皆様が、10年後、20年後も健やかに過ごせるよう、全力でサポートさせていただきます。「健康診断で数値が少し高かった」「家族に腎臓が悪い人がいて不安」といった些細なことでも構いません。越前開発駅から徒歩5分の通いやすい場所にございますので、どうぞお気軽にご相談ください。私たちと一緒に、大切な腎臓を守っていきましょう。
検査や検診については「予防接種・健康診断」のページもご覧ください。
