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甲状線機能亢進症

喉の仏の下あたりにある甲状腺という臓器から、ホルモンが過剰に分泌されてしまう状態を甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)と呼びます。甲状腺ホルモンは、全身の代謝を活発にする「アクセル」のような役割を担っているため、これが多すぎると、心臓がドキドキしたり、食べているのに体重が減ったり、手が震えたりといった、体が常に全力疾走しているような状態になります。福井県福井市開発の「はまだ内科クリニック」では、こうした甲状腺のトラブルに対し、日本内科学会 総合内科専門医としての知見を活かし、丁寧な診断と治療を行っています。疲れやすさや動悸を「ただの疲れ」や「年齢のせい」と思い込んで見過ごしてしまうことも少なくありませんが、適切な治療を行えば、これまでの辛い症状を寛解(かんかい:症状が落ち着いて安定した状態のこと)させ、穏やかな日常生活を取り戻すことが可能です。越前開発駅から徒歩5分という通いやすい場所で、地域の皆さんの「なんとなく体調が悪い」という声に寄り添い、幅広い視点からサポートいたします。

甲状腺機能亢進症の症状について

甲状腺機能亢進症の症状は、全身の代謝が異常に高まることによって引き起こされます。症状の現れ方は個人差が大きく、最初は軽い動悸や汗っかきになった程度で気づかないこともありますが、放置すると心臓や骨に負担がかかるため注意が必要です。臨床現場でよく見られる主な症状をご紹介します。

心血管系への影響

心臓の鼓動が速くなる「頻脈」が特徴的です。じっとしていても走った後のようにドキドキしたり、階段を上るだけで激しい息切れを感じたりします。これが長く続くと不整脈の原因になることもあります。詳細については「不整脈」のページを参照してください。

代謝と体重の変化

新陳代謝が過剰になるため、食欲が増してよく食べているにもかかわらず、体重がみるみるうちに減っていくことがあります。また、体温が上がり、暑がりになったり、異常に汗をかきやすくなったりするのも典型的なサインの一つです。

精神面や手指の震え

神経が過敏になり、イライラしやすくなったり、落ち着きがなくなったり、夜眠れなくなったりすることがあります。また、指先が細かく震える(手指振戦)ようになり、文字が書きにくい、箸が使いにくいといった変化で気づく方もいらっしゃいます。

消化器・筋肉・皮膚への影響

腸の動きが活発になりすぎることで、便の回数が増えたり、下痢をしやすくなったりします。筋力の低下を感じることもあり、特に階段の上り下りが辛くなることがあります。皮膚は汗ばんでしっとりとし、髪の毛が抜けやすくなる場合もあります。

目や喉の変化

鏡を見たときに「目が飛び出してきたように見える(眼球突出)」、「まぶたが腫れぼったい」といった目の変化や、喉の前側が全体的に腫れてくる(甲状腺腫)ことが見られます。これらの見た目の変化は、すべての患者さんに起こるわけではありませんが、重要な診断の指標となります。

甲状腺機能亢進症の原因について

甲状腺ホルモンが過剰になる原因はいくつかありますが、その多くは免疫の異常や、甲状腺自体にできた結節(しこり)が関係しています。私たちが日々の診療で行う検査によって、どの原因に該当するのかを突き止めていきます。

自己免疫の異常

本来、外敵から体を守るはずの免疫システムが、自分自身の甲状腺を誤って攻撃してしまう物質(自己抗体)を作ってしまうことがあります。この抗体が甲状腺を常に刺激し続けることで、ホルモンが休むことなく作られ続けてしまうのが、最も代表的な原因です。

甲状腺の炎症

ウイルス感染や、出産後のホルモンバランスの変化などによって甲状腺に炎症が起きると、甲状腺の細胞の中に蓄えられていたホルモンが一気に血液中に漏れ出すことがあります。これは一時的な「亢進状態」であり、時間の経過とともに逆にホルモンが不足する甲状腺機能低下症へ移行することもあります。

症状が似ていても対処法が異なるため、「甲状腺機能低下症」のページも併せてご確認いただくことをお勧めします。

腫瘍やしこりによる影響

甲状腺の中にできた「しこり」が、脳からの命令を無視して勝手にホルモンを作り始めてしまうケースがあります。これをプランマー病などと呼びます。多くは良性の腫瘍ですが、ホルモンを過剰に出し続けるため、治療の対象となります。

甲状腺機能亢進症の病気の種類について

甲状腺機能亢進症を引き起こす病気にはいくつかの種類があります。原因によって治療の進め方が大きく変わるため、血液検査や超音波(エコー)検査で正確に見極めることが重要です。

バセドウ病

甲状腺機能亢進症の原因として最も多いのがバセドウ病です。20代から50代の女性に多く見られますが、男性に発症することもあります。自己抗体が甲状腺を刺激し続けることで起こります。適切な治療を継続することで、多くの場合で症状をコントロールできます。

無痛性甲状腺炎

甲状腺が壊れてホルモンが漏れ出す病気です。「無痛性」の名前の通り、喉の痛みはありません。一時的に亢進状態になりますが、数ヶ月で自然に改善することが多いのが特徴です。バセドウ病と間違えて強い薬を使いすぎないよう、慎重な診断が求められます。

亜急性甲状腺炎

ウイルス感染の後に起こることが多く、喉(甲状腺)に強い痛みやしこりを伴うのが特徴です。発熱を伴うこともあり、炎症によって漏れ出したホルモンの影響で一時的に動悸などの亢進症状が現れます。

プランマー病(中毒性多結節性甲状腺腫)

甲状腺の中にできた自律的な「しこり」がホルモンを過剰に分泌する病気です。日本ではバセドウ病に比べると頻度は低いですが、高齢の方に見られることがあります。

甲状腺機能亢進症の治療法について

当院では、患者さんの年齢、症状の強さ、ライフスタイル、そして妊娠の希望の有無などを総合的に判断して治療方針を決定します。主な治療法は以下の3つですが、内科的な治療を第一に選択することが一般的です。

内服薬による治療(抗甲状腺薬)

甲状腺ホルモンが作られるのを抑える薬を服用していただく方法です。最も一般的な治療法で、血液検査の結果を見ながら薬の量を細かく調整していきます。

  • メリット・・手術の必要がなく、外来で通院しながら治療を継続できる。
  • 注意点・・長期間(年単位)の服用が必要になることが多く、副作用(発疹、肝機能障害、白血球減少など)のチェックのために定期的な採血が欠かせない。

アイソトープ治療(放射性ヨウ素療法)

放射性ヨウ素のカプセルを飲むことで、甲状腺の細胞を内側から少しずつ減らし、ホルモンの産生を抑える治療法です。福井県内の専門設備を持つ病院と連携してご紹介することになります。

  • メリット・・薬で副作用が出る方や、薬を止めても再発してしまう方に有効。
  • 注意点・・将来的に甲状腺機能低下症になる可能性が高く、その場合は不足したホルモンを補う薬を飲み続ける必要がある。

手術(甲状腺切除術)

甲状腺の一部、または全部を外科的に摘出する方法です。甲状腺が非常に大きく腫れている場合や、悪性腫瘍の疑いがある場合、薬による治療が難しい場合などに選択されます。こちらも、信頼できる専門病院の外科をご紹介いたします。

  • メリット・・治療効果が確実で、早期にホルモンバランスを安定させることができる。
  • 注意点・・首に傷跡が残ることや、術後にホルモン剤の服用が必要になる場合がある。

甲状腺機能亢進症についてのよくある質問

Q1. バセドウ病は一生治らない病気なのですか?

A1. バセドウ病は「完治」という表現よりも「寛解」を目指す病気です。薬を数年飲み続けることで、薬を止めてもホルモン値が正常に保たれるようになる方はたくさんいらっしゃいます。焦らずじっくりと付き合っていくことが大切です。

Q2. 食生活で気をつけることはありますか?

A2. ヨウ素(ヨード)を多く含む海藻類(特に昆布)の過剰摂取を控えるよう指導されることがありますが、極端な制限が必要なケースは限られています。それよりも、亢進状態の時は体力を消耗しやすいため、高タンパク・高カロリーの食事を心がけ、心臓に負担をかける激しい運動や喫煙を控えることが重要です。

Q3. 妊娠中や授乳中でも治療は受けられますか?

A3. はい、可能です。妊娠・授乳中でも安全に使用できるタイプの薬があります。むしろ、甲状腺機能が不安定なまま妊娠を継続する方が、お母さんと赤ちゃん双方にリスクがあるため、専門医によるきめ細かな管理のもとで治療を続けることが推奨されます。

Q4. 治療を始めたら、すぐに動悸は治まりますか?

A4. 薬の効果でホルモン値が安定するまでには数週間から数ヶ月かかります。それまでの間、辛い動悸や手の震えを和らげるために、心拍数を抑える「ベータ遮断薬」という薬を一時的に併用することがあります。これにより、比較的早く自覚症状を楽にすることが期待できます。

院長より

はまだ内科クリニックの院長、濵田卓也です。甲状腺の病気は、疲れやすさやイライラといった「心の不調」や「更年期障害」と間違われやすく、診断がつくまで一人で悩んでこられた患者さんも少なくありません。当院では、日本内科学会 総合内科専門医としての幅広い経験を活かし、患者さんの全身の状態を丁寧に診察することを大切にしています。また、私は日本リウマチ学会 リウマチ専門医でもあります。バセドウ病のような自己免疫疾患は、他の免疫疾患と関連している場合もあり、専門的な視点から多角的なアドバイスが可能です。福井市開発の地で、皆様が何でも相談できる「かかりつけ医」でありたいと考えています。「最近、疲れが取れない」「心臓がドキドキする」といった些細な変化でも構いません。まずは一度、お気軽にご相談ください。丁寧な対話を通じて、お一人おひとりに最適な治療法を一緒に見つけていきましょう。

当院の診療方針や特徴については「当院について」のページもご覧ください。

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