認知症
認知症は、脳の病気や障害など様々な原因によって、記憶力や判断力などの認知機能が低下し、これまでの日常生活をスムーズに送ることが困難になる状態を指します。単なる加齢による物忘れとは異なり、脳の神経細胞が壊れることで起こる病的な変化です。福井市開発1丁目の「はまだ内科クリニック」では、日本認知症予防学会 専門医である院長が、お一人おひとりの症状に真摯に向き合い、丁寧な診断とサポートを心がけております。
当院は、越前開発駅から徒歩5分の場所に位置し、内科全般や生活習慣病の管理も幅広く行っています。認知症は、早期に適切な対応を行うことで、症状の進行を緩やかにしたり、患者さんやご家族の負担を軽減したりすることが期待できます。「最近、様子が少し違うな」と感じたとき、どこの診療科に相談すればよいか迷われることもあるでしょう。私たちは地域の身近な相談窓口として、医学的な視点から「幅広く、丁寧に」対応いたします。
認知症は早期発見が非常に重要であり、適切なケアによってその後の生活の質は大きく変わります。もし、ご自身やご家族の記憶力や行動に不安を感じられたら、一人で悩まずに当院までお気軽にご相談ください。総合内科専門医としての経験も活かし、お身体全体の健康状態を確認しながら、最適な治療とケアの道筋を一緒に考えてまいります。
認知症の症状について
認知症の症状は、脳の細胞が壊れることで直接起こる「中核症状」と、その方の置かれた環境や性格などが影響して現れる「行動・心理症状(BPSD)」の2つに大きく分けられます。それぞれの症状がどのように現れるかは個人差がありますが、日常生活に様々な影響を及ぼします。
中核症状(脳の障害によって直接起こる症状)
中核症状は、脳の細胞がダメージを受けることで、脳が本来持っている機能が失われるために起こります。主に以下のような症状が見られます。
- 記憶障害・・新しいことを覚えられなくなり、さっき聞いたことや体験したこと自体を忘れてしまいます。
- 見当識障害・・今日が何月何日か、今どこにいるのか、目の前の人が誰なのかがわからなくなります。
- 実行機能障害・・段取りを立てて物事を進めることができなくなり、料理や掃除、買い物が難しくなります。
- 理解・判断力の低下・・計算ができなくなったり、テレビの内容がわからなくなったり、些細な変化に対応できなくなります。
行動・心理症状(BPSD:周辺症状)
中核症状によって日常生活に支障が出ることで、本人が不安や苛立ちを感じ、二次的に現れる症状です。以前は周辺症状とも呼ばれていました。適切な環境調整や関わり方で改善する場合があります。
- 不安・抑うつ・・自信を失い、ふさぎ込んだり、過度に心配したりします。
- 幻覚・妄想・・誰もいないのに「誰かいる」と言ったり、「財布を盗まれた」と思い込んだりします。
- 徘徊・・目的なく歩き回っているように見えますが、本人なりの理由があって外に出ようとすることが多いです。
- 睡眠障害・・夜眠れなくなったり、昼夜が逆転してしまったりすることがあります。
夜間の眠りについてお悩みがある場合は、睡眠の状態を整えることも大切です。詳細については「不眠症」のページを参照してください。
認知症の原因について
認知症を引き起こす原因は一つではなく、脳の神経細胞が変化してしまう「変性疾患」や、脳の血流が悪くなる「血管障害」など、多岐にわたります。原因を特定することは、その後の治療方針を決定する上で非常に重要です。
脳の変性によるもの
脳の中に特定のタンパク質(アミロイドβやタウなど)が蓄積することで、神経細胞が徐々に壊れていき、脳が萎縮(縮むこと)していく状態です。これが最も多い認知症の原因となります。なぜこれらのタンパク質が溜まるのかは、完全に解明されているわけではありませんが、遺伝的要因や生活習慣が関わっていると考えられています。
生活習慣病との深い関わり
近年の研究により、生活習慣病が認知症のなりやすさ(リスク因子:病気を引き起こす要因)に大きく関与していることがわかってきました。血管に負担をかける状態が続くと、脳の神経細胞にも悪影響を及ぼします。
- 糖尿病・・高血糖の状態が続くことで、脳の血管を傷つけ、アルツハイマー型認知症の発症リスクを高める可能性があります。
- 高血圧・・高い血圧は脳出血や脳梗塞の引き金となり、血管性認知症の原因となります。
- 脂質異常症・・コレステロールのバランスが崩れると動脈硬化が進み、脳の血流を低下させます。
生活習慣病の管理については、以下のページも参考にしてください。
生活習慣病の基本については「生活習慣病」のページを参照してください。
血糖値が気になる方は「糖尿病」のページを、血圧が高い方は「高血圧」のページをご覧ください。また、コレステロールの異常については「脂質異常症」のページで詳しく解説しています。
認知症の病気の種類について
認知症にはいくつかの代表的な種類があり、それぞれ原因や現れやすい症状が異なります。診断にあたっては、それぞれの特徴を見極めることが必要です。
アルツハイマー型認知症
認知症の中で最も多いタイプで、全体の約6〜7割を占めるとされています。脳に「アミロイドβ」というゴミのようなタンパク質が溜まることで、記憶を司る「海馬」という部分から萎縮が始まります。初期には直近の出来事を忘れる記憶障害が目立ち、ゆっくりと進行していくのが特徴です。
血管性認知症
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって、脳の細胞の一部が死滅することで起こります。障害を受けた場所によって症状が異なり、できることとできないことがはっきりしている「まだら認知症」の傾向があります。生活習慣病の管理が進行予防に直結するタイプです。
レビー小体型認知症
脳内に「レビー小体」というタンパク質が溜まることが原因です。実際にはいないものが見える「幻視」や、手が震えたり体がこわばったりする「パーキンソン症状」が特徴的です。頭がはっきりしている時と、ぼーっとしている時の差が激しい(意識の変動)も見られます。
前頭側頭型認知症
脳の前頭葉や側頭葉が萎縮するタイプです。比較的若い年齢で発症することもあり、記憶障害よりも「万引きをする」「いきなり怒り出す」といった、社会的なルールを守れなくなったり性格が変化したりする症状が目立ちます。言葉が出にくくなるなどの症状が出ることもあります。
認知症の治療法について
現在の医学では、認知症を完全に治して元の状態に戻すことは困難です。しかし、薬物療法と非薬物療法を組み合わせることで、進行を遅らせたり、困っている症状を和らげたりして、穏やかに過ごせる時間を増やすことが可能です。
薬物療法
中核症状の進行を抑える薬や、不安や興奮などの周辺症状を抑える薬を使用します。患者さんの状態や認知症のタイプ、持病に合わせて適切な薬を選択します。当院では副作用の有無に注意しながら、慎重に処方を調整いたします。
- 抗認知症薬・・ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンなど、脳の神経伝達を助けるお薬が主に使用されます。
- BPSDに対する治療薬・・不眠、焦燥感、幻覚などが強い場合に、少量の向精神薬や漢方薬(抑肝散など)を併用することがあります。
非薬物療法(薬以外のケア)
薬を使わずに脳を活性化させたり、精神的な安定を図ったりする方法です。日々の生活の工夫が大きな力になります。ご家族の関わり方も含め、当院では具体的なアドバイスを行っております。
- 回想法・・昔の思い出を語り合うことで、脳を刺激し、情緒を安定させます。
- リハビリテーション・・計算や音読、パズル、あるいは手芸や園芸などの趣味活動を通じて、認知機能の維持を目指します。
- 運動療法・・散歩などの軽い有酸素運動は、脳の血流を良くし、認知症の予防や進行抑制に期待が持てます。
- 環境調整・・部屋を片付ける、カレンダーを大きくするなど、本人が混乱しないように周囲の環境を整えます。
全身の健康管理と予防的アプローチ
認知症の治療において、身体全体の健康を維持することは欠かせません。例えば、糖尿病や高血圧のコントロールを良好に保つことは、血管性認知症の再発を防ぐだけでなく、アルツハイマー型の進行抑制にも寄与すると考えられています。生活習慣の改善は認知症予防の第一歩となります。
認知症についてのよくある質問
Q1. 物忘れと認知症の違いは何ですか?
A1. 単なる物忘れは「ヒントがあれば思い出せる」「忘れた自覚がある」「体験の一部を忘れる(朝食のメニューを忘れる)」ことが特徴です。対して認知症は「体験そのものを忘れる(食べたこと自体を忘れる)」「忘れた自覚がない」のが特徴で、日常生活に支障が出始めます。
Q2. 何歳くらいから相談すればいいですか?
A2. 認知症は高齢者に多いですが、40代や50代で発症する若年性認知症もあります。年齢に関わらず、「以前と比べて様子がおかしい」「仕事のミスが増えた」などの違和感があれば、早めにご相談ください。早期の相談が、将来の安心に繋がります。
Q3. 家族が受診を拒否する場合はどうすればよいでしょうか?
A3. 本人は自覚がない場合や、病気だと認めたくない不安があるかもしれません。無理に「認知症の検査」と言わず、「健康診断に行こう」「内科で血圧を診てもらおう」といった、自然な誘い方が効果的です。事前にお電話でご相談いただければ、当院のスタッフも柔軟に対応いたします。
Q4. 認知症は遺伝しますか?
A4. 特殊な遺伝性の認知症も一部ありますが、多くは遺伝だけが原因ではなく、加齢や生活習慣などが複雑に絡み合って発症します。家族に認知症の方がいるからといって、必ずしも発症するわけではありません。むしろ、予防可能な要素に目を向けることが大切です。
院長より
はまだ内科クリニックの院長、濵田卓也です。私はこれまでの臨床経験の中で、多くの患者さんとそのご家族が「認知症かもしれない」という不安と戦っている姿を見てきました。認知症は決して恥ずかしいことでも、人生の終わりでもありません。適切な医療とサポートがあれば、その人らしさを保ちながら暮らしていく道は必ずあります。
当院では、日本認知症予防学会 専門医として、科学的根拠に基づいた診断と治療を提供しています。同時に、総合内科専門医、救急専門医としての知識を活かし、肺炎などの急な合併症や、生活習慣病の徹底した管理も行います。お年を召すと複数の疾患を抱えることが多いため、「木を見て森を見ず」にならないよう、全身をトータルで診ることを大切にしています。
福井市開発周辺の地域の皆様にとって、認知症の悩みは身近なものです。当院は越前開発駅から徒歩5分と通いやすい場所にあります。患者さんご本人はもちろん、介護で疲れを感じているご家族の心のケアも大切だと考えています。「怒鳴ってしまう」「夜眠れない」といったお悩みも、どうぞ安心してお話しください。私たちは「幅広く、丁寧に」皆様の健康と笑顔を守るお手伝いをさせていただきます。
院長の経歴や資格の詳細は「医師紹介」のページをご覧ください。一緒に、これからの安心を築いていきましょう。
