過敏性腸症候群
過敏性腸症候群(IBS)は、血液検査や内視鏡検査などで腸に明らかな炎症や潰瘍が見つからないにもかかわらず、腹痛や腹部不快感、下痢、便秘といった便通の異常が長期間続く病気です。福井市開発にある私たち「はまだ内科クリニック」では、こうしたお腹の悩みを抱える患者さんに対し、日本内科学会 総合内科専門医としての視点から、丁寧な診断と一人ひとりに合わせた治療を行っています。日常的なストレスや生活習慣が大きく関与するため、ただ薬を飲むだけでなく、生活の質を改善するためのアドバイスも大切にしています。
越前開発駅から徒歩5分の場所に位置する当院には、通勤やお買い物ついでに立ち寄られる方も多くいらっしゃいます。「お腹が痛くなりやすくて外出が不安」「大事な会議の前にお腹を下してしまう」といったお悩みは、決して性格の問題ではなく、医学的な治療が必要な状態です。私たちは、患者さんが抱える不安を「幅広く、丁寧に」受け止め、お腹の健康を取り戻すお手伝いをいたします。お腹の調子がなかなか安定しないと感じている方は、ぜひ一度、福井市の当院へご相談ください。
過敏性腸症候群の症状について
過敏性腸症候群の主な症状は、腹痛や腹部の不快感を伴う便通の異常です。大きな特徴として、排便することによって腹痛が和らぐ傾向がある点が挙げられます。また、症状は数日から数週間続くこともあれば、良くなったり悪くなったりを繰り返すこともあります。
腹痛の場所は人によって様々ですが、主に下腹部に痛みを感じることが多いです。キリキリとした痛みや、お腹が張るような苦しさを訴える患者さんも少なくありません。以下のような具体的な症状が1ヶ月のうちに数日以上、3ヶ月以上にわたって続いている場合は、この疾患の可能性を検討する必要があります。
- 排便すると痛みが和らぐ腹痛
- 便が細くなったり、粘液が混じったりする
- ガスが溜まりやすく、お腹が張る(腹部膨満感)
- 食後にすぐトイレに行きたくなる
- 便秘と下痢を交互に繰り返す
また、過敏性腸症候群は消化器症状だけでなく、全身の倦怠感や頭痛、不眠、不安感といった自律神経の乱れに伴う症状を併発することもあります。これらの症状により、学校や仕事、旅行などの日常生活に支障をきたし、さらに精神的なストレスを感じるという悪循環に陥りやすいのも特徴の一つです。
お腹の症状に加えて、胸焼けなどの症状がある場合は、他の消化器疾患が隠れている可能性もあります。当院では他の疾患との見極めも慎重に行います。気になる症状がある方は、「逆流性食道炎」のページも参考にしてみてください。
過敏性腸症候群の原因について
過敏性腸症候群の明確な原因は完全には解明されていませんが、現代医学ではいくつかの要因が複雑に絡み合っていると考えられています。最も大きな要因とされるのが脳腸相関(のうちょうそうかん)と呼ばれる仕組みです。これは脳と腸が神経系を通じて密接に連絡を取り合っていることを指します。
精神的なストレスや不安を感じると、脳から自律神経を通じて腸に信号が送られ、腸の動きが異常に活発になったり、逆に動きが止まってしまったりします。また、過敏性腸症候群の患者さんは腸の知覚が過敏になっていることが多く、健康な人なら気にならない程度のわずかな刺激でも「痛み」として脳に伝わってしまいます。
その他の主な原因やきっかけとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 自律神経の乱れによる腸の運動異常
- 過去にかかった急性腸炎などの感染症をきっかけとした腸内環境の変化
- 脂っこいものや香辛料、アルコールなどの食事による刺激
- 不規則な睡眠や過労などの生活習慣
- 腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)のバランスの崩れ
特に福井での生活においても、仕事のプレッシャーや家庭の環境、季節の変わり目などは大きなストレス要因となります。当院では、これまでの経過を詳しくお伺いし、どのようなタイミングで症状が出やすいかを見極めることで、原因の特定と対策を一緒に考えていきます。
なお、急激な腹痛や下痢が一時的に起こる場合は、ウイルスや細菌による感染症の可能性もあります。心当たりがある方は、「急性腸炎」のページも併せてご覧ください。
過敏性腸症候群の病気の種類について
過敏性腸症候群は、便の形状や排便の傾向によって主に4つのタイプに分類されます。治療法を選択する上でも、自分がどのタイプに当てはまるかを知ることは非常に重要です。当院では問診を通じて、患者さんの生活スタイルに合った分類を行い、適切な処方へと繋げます。
1.下痢型(IBS-D)
少しの緊張や食事の後に、激しい腹痛とともに泥状便や水様便が出るタイプです。若い男性に多く見られ、トイレの場所を常に確認していないと不安になるなど、外出に強い恐怖を感じる方が多い傾向にあります。急な便意が最大のお悩みとなることが多いタイプです。
2.便秘型(IBS-C)
お腹が張って苦しいのに便が出にくい、あるいは出てもコロコロとした硬い便になるタイプです。女性に多く見られ、排便後もスッキリしない残便感を伴います。無理にいきむことで肛門に負担がかかったり、肌荒れや食欲不振を招いたりすることもあります。
3.混合型(IBS-M)
数日おきに下痢と便秘を交互に繰り返すタイプです。便通が非常に不安定で、日によって対策を変えなければならず、予測が立たないことが大きなストレスとなります。お腹の張り(ガス)を強く感じる方が多いのもこのタイプの特徴です。
4.分類不能型
上記のいずれにも明確に分類できないものの、過敏性腸症候群の診断基準を満たす場合です。便の形状が時期によって大きく変わる方などが含まれます。また、おならが止まらない、おならの臭いが気になるといったガス症状が主訴となることもあります。
頑固な便秘にお悩みの方は、疾患としての理解を深めるために、当院の「便秘症」のページも確認してみてください。症状がどのタイプであっても、適切なコントロールを目指すことが可能です。
過敏性腸症候群の治療法について
過敏性腸症候群の治療は、生活習慣の改善と薬物療法をバランスよく組み合わせることが基本です。日本内科学会 総合内科専門医として、当院では単に症状を抑えるだけでなく、再発しにくい体作りをサポートします。治療の目標は、症状をゼロにすることだけでなく、日常生活を支障なく送れる寛解(かんかい:症状が落ち着いて安定した状態)を目指すことにあります。
生活習慣・食事の改善
規則正しい生活は自律神経を整え、腸の動きを安定させます。特に食事については、以下の点を意識していただくよう指導しています。
- 朝食を欠かさず摂り、腸のリズムを作る
- 過度なアルコール、カフェイン、辛い食べ物などの刺激物を避ける
- 低FODMAP(フォドマップ)食 - 小腸で吸収されにくい発酵性の糖質を控える食事法
- 十分な睡眠をとり、過労を避ける
- 適度な運動を取り入れ、ストレスを発散する
薬物療法
症状の種類や強さに応じて、以下のようなお薬を選択します。
- 高分子重合体 - 腸内の水分を調節し、便の硬さを正常化します(下痢・便秘両方に有効)
- 消化管運動調節薬 - 腸の過剰な動きを落ち着かせたり、動きを助けたりします
- セロトニン受容体拮抗薬 - 主に下痢型に使用し、腸の知覚過敏と運動異常を抑えます
- 粘膜透過性低下薬 - 腸粘膜のバリア機能を整えます
- 乳酸菌製剤(整腸剤) - 腸内細菌のバランスを整え、お腹の調子を底上げします
- 漢方薬 - 体質に合わせて、腹痛や冷え、精神的な緊張を和らげるものを処方します
過敏性腸症候群は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病と同様に、長く付き合いながら上手につきあっていく視点が必要です。当院の「生活習慣病」のページでも解説している通り、日々の習慣が健康の土台となります。
過敏性腸症候群についてのよくある質問
Q1. ストレスがなくなれば、この病気はすぐに治りますか?
A1. ストレスの軽減は治療に大きく貢献しますが、一度知覚過敏になった腸の状態が元に戻るには時間がかかることがあります。ストレス対策と並行して、お薬や食事療法で腸のコンディションを整えていくことが大切です。
Q2. 検査をしても「異常なし」と言われましたが、本当に病気なのですか?
A2. はい、立派な疾患の一つです。過敏性腸症候群は「構造的な異常」ではなく「機能的な異常(動きの異常)」であるため、通常の内視鏡検査などでは異常が見つかりません。検査で異常がないこと自体が、この病気を診断するための重要なステップとなります。
Q3. 放っておくと大腸がんなどの大きな病気になりますか?
A3. 過敏性腸症候群そのものが癌の原因になることはありません。ただし、血便や体重減少、夜寝ている間に腹痛で目が覚めるといった症状がある場合は、他の重大な疾患が隠れている可能性があるため、早急な検査が必要です。
Q4. 特定の食べ物でお腹を壊しやすいのですが、アレルギーでしょうか?
A4. 食べ物に対する不耐症や、腸の過剰反応である場合が多いですが、稀に食物アレルギーが関与していることもあります。当院ではアレルギーの相談も承っておりますので、気になる方は「食物アレルギー」のページをご参照ください。
Q5. お薬は一生飲み続けなければなりませんか?
A5. 症状が安定し、生活習慣やストレスの管理がご自身でできるようになれば、徐々にお薬を減らしたり、頓服(症状が出た時だけ飲む)に切り替えたりすることが可能です。焦らず、段階的に進めていきましょう。
院長より
はまだ内科クリニックの院長、濵田卓也です。過敏性腸症候群は、周囲に理解されにくく、一人で悩みを抱え込んでしまう患者さんが非常に多い病気です。「ただのお腹のゆるみだから」「緊張しやすい性格だから」と諦めていませんか。私たちは、そのようなお悩みを医学的なアプローチで解決し、皆さんが自信を持って毎日を過ごせるよう全力でサポートいたします。
私は、日本内科学会 総合内科専門医および日本救急医学会 救急専門医として、これまで多くの急性・慢性疾患を診てきました。その経験から確信しているのは、お腹の不調は体からの大切なサインであるということです。福井市開発の地で、地域に根ざした「かかりつけ医」として、まずはじっくりとお話をお聞きすることから始めます。当院は、内科全般だけでなくリウマチやアレルギーなど、多角的な視点からお体を診ることができるのが強みです。
「この程度の症状で受診してもいいのだろうか」と迷われる必要はありません。お腹の調子が悪いことで、やりたいことを制限してしまうのはとてももったいないことです。はまだ内科クリニックでは、最新の知見に基づきつつも、親しみやすく分かりやすい説明を心がけています。越前開発駅から徒歩5分の便利な場所にありますので、どうぞリラックスした気持ちでご来院ください。一緒に、健やかなお腹と笑顔を取り戻していきましょう。
当院の詳細な診療内容については「診療内容」のページを、初めて受診される方は「初診の方へ」のページをご確認ください。
